社員がうつ病休職から復職する際の注意点

訴訟にならないための復職支援

社員がうつ病で休職した後に復職する際

社員側も緊張しますが

会社側の人事や職場も苦慮しますね

私は多くのうつ病休職者を面談してきて

様々な会社の対応を知っています

 

一方でうつ病当事者の方とじっくり話をするので

会社対応への不満も聞いています

 

再休職にならないためにも

訴訟にならないためにも

会社側と社員側の両者の立場を考慮し注意点をお伝えしますね

1)復職後の配置はよく話し合って決める

復職後の職場は元職場とする

というマニュアル的なルールがあります

 

慣れた職場で慣れた仕事内容の方が

本人への負担が少ないという配慮からと思われます

 

ただ

うつ病当事者の方とお話ししていると

元職場に戻りたい人は少ないように感じます

 

その理由は

 

もともと今の仕事が合わないと感じていた

休職前の嫌な出来事を思い出す

休んだことで上司や同僚に気を使うので嫌だ

 

もちろん会社側にも都合があるので

なかなか本人の希望に添えないと思います

 

だからちゃんとした話し合いが必要です

人事担当・産業医・現職場上司と本人

が良いと思います

 

ただ休職前に

上司と折り合いが悪かった場合は

上司を除く三者で話し合うと良いと思います

 

社員側は休職中

人との会話が減っていて

急にはうまく話せない場合もあるので

本音を聞き出すのは保健師などの

産業看護職が担えると良いです

 

2)復職後フォローの方法

復職後は定期的に面談する会社が多いようです

 

多いケースは

上司が1週毎に面談して

産業医は4週毎に面談するようです

 

面談頻度はあまり多いと負担になるようですが

全く面談しないと放って置かれていると感じるようです

 

健康状態の確認や

仕事上不安がないかどうかを確認します

 

うつ病の方は元来マジメなので

復職するとだいたい頑張り過ぎてしまいます

ブレーキのかけ方をわかって復職できているか

見極めが大事です

 

やはり職場にいる上司が見てあげられると良いと思います

仕事内容も負担の少ないものから与えて

定時で退社できるよう配慮が必要です

 

産業医の方から

就業時間の制限が意見書として出るので

それに基づいて管理していく必要があります

 

3)就業制限も話し合いで決めていく

復職して1ヶ月くらい経つと

「残業したい」という社員もいます

 

ただ1ヶ月ではまだ早く

3ヶ月経過した頃に面談の際

産業医と本人が話し合えるようにするのが良いでしょう

 

残業を「週〇〇時間まで可能」を段階的に増やす方が良いです

 

社員側は「頑張り過ぎている」ことに気づかない人もいるので

少し制限があるくらいでちょうど良いのです

 

3ヶ月就業継続できた時点で

本人の状態や職場の状態を考慮して

制限を再検討してください

 

社員側は

有給休暇が少なく通院で平日休めないと

何ヶ月も受診できず放置してしまうこともありますので

少し残業ができてフレックス時間で通院する方が気楽なようです

会社側の担当者の方は

ひとりひとり対応していくのも大変だと思いますが

大事なポイントで

ちゃんと話し合って決めた

という事実を残すことが

訴訟等の最悪の事態を防げるのだと思います

 

復職前のうつ病当事者の方も

会社側の担当者の方も

不安なことはぜひご相談くださいね